クレジットカードの海外旅行保険、ちゃんと理解してる?詳細や注意点を紹介!

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クレジットカードの海外旅行保険と言えば「最高2,000万円まで補償!」などの文言を見ることが多いと思いますが、実際に何が2,000万円まで補償されるのか、しっかり理解して選んでいる人はどれだけいるでしょうか。

クレジットカードの海外旅行保険をしっかり理解して活用すれば、海外旅行の際に別途海外保険に加入する必要もなくなります。

このページでは海外旅行に行く頻度が多い人のために、クレジットカードの海外旅行保険について正しい知識をお伝えするとともに、一般の保険会社の保険との違いについても紹介していきます。

海外旅行保険を選ぶ際に大事なこと

まず、クレジットカードを付帯する海外旅行保険で選ぶ際に重視するべきポイントから確認していきましょう。実はこの部分を勘違いしていて、あまり保険を活用できないカードを選んでしまっている人が少なからず存在するのです。

治療費の補償額が十分か

最も大切な部分として、ケガや病気の治療費の補償額がどのくらいあるかは必ず確認してください。

そうすると、クレジットカードの公式サイトに目立つように記載されている「最高2,000万円」のような文言が、多くは傷害による死亡の補償であることに気付くでしょう。

海外に行って海外旅行保険を最も必要とするケースというのは、急な病気やケガで治療を受けた場合の治療費ですよね。ここが補償されていない場合、海外旅行保険としてはあまり使えないと言わざるを得ません。

海外旅行の最大補償額が1,000万円と書かれていても、よく内容を確認してみるとそれは傷害による死亡のケースの補償額で、傷害や疾病の治療費用自体は1円も補償されていないということもあります。

こうしたカードの保険を信用して海外旅行に行き、現地でケガをして、百万円単位の治療費が一切補償されないことを知ったら、もう目も当てられません。

結局、こうしたカードでは補償が不十分なので、渡航の際には保険会社の海外旅行保険にも加入することがほとんどだと思います。

保険としての役割をクレジットカードに期待するのであれば、障害・疾病の治療に関する補償額は最重要チェック項目です。

主要な海外の治療費の目安

日本損害保険協会のサイトでは、主要な地域での治療費の目安を確認することができます。

各地域の盲腸(虫垂炎)手術の治療費を一覧にしたものが下記です。

地域 総費用
アメリカ(ホノルル) 2,560,000円
イギリス(ロンドン) 1,302,800~1,737,100円
カナダ(バンクーバー) 1,108,600~1,773,800円
フランス(パリ) 860,500円
オーストラリア(ゴールドコースト) 1,021,100円
中国(北京) 45,000~90,000円

参考:日本損害保険協会 – 損害保険Q&A

これを確認すると、北京など安いところもある一方、数百万単位の高額の医療費を請求するところも少なくないということが分かりますね。

特にアメリカのホノルルは虫垂炎の手術の目安が約250万円と非常に高額で、カードによっては補償範囲を超えた金額がかかってしまうことが十分にあり得ると分かるでしょう。

海外では、お金が足りない場合は治療を拒否されてしまうこともあると言われています。万一の際に困ってしまうことの無いよう、治療に関する補償額は必ずチェックするようにしてください。

キャッシュレス診療に対応しているか

これは要するに「現地で治療費用を立て替え払いする必要があるのかどうか」という話です。百万円単位にもなる治療費を一時的にであっても立て替えるのは、かなり難しいことですよね。

ケガや病気で治療を受ける可能性を考えて海外旅行中に大金を持ち運ぶというのも、防犯の観点からあまり現実的ではないでしょう。

その点、キャッシュレス診療に対応しているカードの補償を利用するのであれば、現地での立て替え払いも不要なので、安心して治療を受けることができます。

保険会社とクレジットカードの海外旅行保険の違い

疑問

海外旅行をする際は、保険会社あるいはクレジットカードの海外旅行保険を利用すると思いますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

疾病死亡補償の有無

疾病死亡、つまり病気で死亡した場合の補償が一般的な保険会社の海外旅行保険には含まれています。これはクレジットカードの海外旅行保険には含まれていないので、両者が大きく違っている点となります。

クレジットカードの海外旅行保険では、前提として、死亡に至る可能性のある病気を抱えた状態で旅行はしないと考えられているので、保険内容に含まれていないのです。

そのため疾病死亡の補償が欲しい人は、クレジットカードではなく保険会社の海外旅行保険を検討することになるでしょう。

逆に、死亡関連の補償を必要としない人は、クレジットカードの海外旅行保険で問題ないということでもありますね。

補償期間

クレジットカードの海外旅行保険は、補償期間が原則として出国から90日間(あるいは60日間)となっています。保険会社の保険では出国から帰国のスケジュールに合わせて日数を指定できるので、ここも両者が異なっている点と言えます。

ただし、保険会社の保険でも補償期間は多くの場合最大3ヶ月となっているので、保険会社なら補償が長いということでもありません。

90日を越える旅行をすることはあまりないと思いますが、それ以上の期間になる場合は保険会社の長期の保険(留学や出張用の保険)を申し込んだり、カードの保険をリレーするなどする必要があるでしょう。

※カードの保険をリレーするとは?利用付帯の海外旅行保険が付いたクレジットカードを複数枚用意し、最初の期間はそのうちの1枚を使用してそのカードの補償期間を適用させ、その期間が終わるタイミングで2枚目のカードを利用して新しい利用付帯保険を発動させ、海外旅行保険が適用されている期間を延ばすという方法です。

利用付帯についての詳しい説明は、次項を参照してください。

「自動付帯」と「利用付帯」

保険会社の海外旅行保険とは違い、クレジットカードの海外旅行保険には「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があります。

その名の通り、自動付帯は持っているだけで補償が適用されるというもので、利用付帯はそのクレジットカードを利用した場合に補償が適用されるというものです。

利用付帯のクレジットカードの海外旅行保険を使う場合は、まずクレジットカードを支払いに利用しなければいけないという点に注意が必要です。

さらに、カードさえ利用すれば何でもOKというわけではありません。基本的には、公共交通機関あるいはツアー料金を該当のクレジットカードで支払うことが必要なのです。

旅行会社のツアーで海外旅行をする場合は、その代金をクレジットカードで払えばひとまず安心ですが、自分で海外旅行をする場合やツアー料金を該当のクレジットカード以外で支払った場合などは、どこかの公共交通機関でクレジットカード支払いをすることを忘れないようにしましょう。

具体的には、航空チケット料金や出発時の空港への移動(電車・バス・タクシー等)料金、現地の公共交通機関の利用代金などのどれかを利用保険付帯のクレジットカードで支払うことが一般的に必要になります。

現地の交通機関で初めて該当のカードを使用した場合、その時点からが保険適用の期間となりますので注意してください。

また、カードによっては出国前の交通費やツアー代金への使用でしか保険適用できないものもありますので、利用する際は内容をしっかり確認しておきましょう。

なお、保険会社の海外旅行保険では、利用付帯というものはありませんので、申し込めば期間中は補償が適用となります。

その他

疾病死亡の他に、緊急歯科治療の費用もクレジットカードの海外旅行保険では補償されません。ですが、この補償は適用のハードルがやや高く、一般的には応急処置しか適用にならない上に半額しか補償されないなど、あまり使い勝手の良い保険ではありません。

義歯の欠陥や治療を伴わない検査、貴金属の使用を含む治療などは補償外になったりすることを考えると、渡航前に歯医者でしっかり治療やメンテナンスを行っておく方が良いと考える人は多いようですね。

また、カード付帯保険の場合は携行品損害の補償を請求する際に自己負担額として3,000円がかかります(3,000円の免責)。大きい金額ではありませんが、知っておくと良いでしょう。

保険会社とクレジットカードの海外旅行保険の比較

ここで、三井住友海上の海外旅行保険と、クレジットカード(エポスカード)の海外旅行保険を比較してみましょう。

三井住友海上のデータは、疾病死亡補償付きの個人向けベーシックプランのうち最も保険料が安いものから引用しています。

参照:三井住友海上 保険料

項目 三井住友海上 エポスカード
傷害死亡・傷害後遺障害 1,000万円 500万円
障害治療費用 1,000万円 200万円
疾病治療費用 障害治療費用に含む 270万円
賠償責任 1億円 2000万円
救援者費用 治療費用に含む 100万円
緊急歯科治療費用 補償あり 補償なし
携行品損害 30万円 20万円(免責3,000円)

※金額は全て最高額(限度額)の記載であり、その額が支払われることを保証するものではありません。

※お申し込みをされる前には、公式ページで最新の情報をご確認ください。

保険会社の海外旅行保険はカードの付帯保険に比べて障害治療費用の補償額が高く設定されている点で安心ができますが、こちらに関しては後述するカード保険の合算を使うことで、クレジットカードの保険だけでも補償額の底上げが可能です。

ただし、クレジットカードを複数枚用意することが難しい場合で、アメリカなどの治療費が高額になりがちな地域へ旅行をする際などは、保険会社の旅行保険を検討しても良いかもしれませんね。

海外旅行保険付帯でおすすめのクレジットカード

クレジットカードの海外旅行保険を利用したいと考えている人におすすめのクレジットカードを紹介します。

エポスカード

エポスカードは年会費無料であるにも関わらず海外旅行保険が自動付帯されています。持っているだけで海外旅行中のトラブル時に補償を受けることができるのです。

また、キャッシュレス診療対応なのも心強く、普段使わないとしても海外旅行時の安心のために持っておいて損はしないカードです。

公式サイト:エポスカード

エポスカードは下記ページでさらに詳しく説明しています。

年会費無料の強力カード「エポスカード」の強みを解説!
誰もが名前くらいは聞いたことのある有名クレジットカード、それがエポスカードです。実はこのカード、年会費無料のクレジットカードの中では非常に優...

JCBゴールドカード

こちらは海外旅行保険が利用付帯のカードですが、ゴールドカードなだけあって障害治療費用の補償が300万円と高めで、キャッシュレス診療にも対応しています。

このカードの海外旅行保険には家族特約が付いていて、19歳未満の生計を共にする子供にも保険を適用させることができます(補償額は異なる)。また、家族カードを発行すれば配偶者にも補償を適用させることができるので、家族で旅行する人におすすめです。

公式サイト:JCBゴールドカード

クレジットカードの海外旅行保険の合算とは?

ここまで見てきて、希望する補償内容と補償額を一枚のクレジットカードでカバーするのはかなり難しいと感じている人もいるのではないでしょうか。

ですが、心配は要りません。実は、海外旅行保険というのは補償内容を合算することができるのです。

クレジットカード同士の合算の場合、死亡保障と後遺障害補償以外は補償額を合算することができます。例えばケガ病気の補償額が200万円のカードと300万円のカードを2枚持っていれば、補償額は合計で500万円になります(死亡保障と後遺障害補償は一番額が高いカードのものが適用)。

一枚のカードでは補償が不十分でも、複数枚持っていれば必要なだけの補償を揃えることができるので、クレジットカードの保険のみで海外旅行へ行きたい方はうまく活用すると良いでしょう。

まとめ

多くのクレジットカードにメリットとして付帯されている海外旅行保険ですが、内容や活用方法を正しく理解していないと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことになります。

何に対していくら補償されるのか、自動付帯なのか利用付帯なのか、渡航地域の治療費目安と照らし合わせて補償額は十分かなどをしっかりと確認するようにしましょう。

おすすめは、保険の付いたクレジットカードを複数枚所持することです。上手く組み合わせれば、保険会社の保険が不要になり、保険料を浮かせることができます。

なお、万一ケガや病気に見舞われた時にどの病院に行けば良いかを、渡航前に予め調べておくのも大事な準備です。現地で困ってしまうことのないように、保険の適用条件等は必ず確認をして、海外旅行を思いっ切り楽しんでください。

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