アメックスから出ている航空系最強とも言われるクレジットカード、それが「アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード」です。名前を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
マイルを貯める目的でクレジットカードを持つなら、必ずと言っていいほど候補に入ってくるこのカード。その威力について、詳しく解説をしていきます。
目次
カードの年会費と特長
アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードの年会費は11,000円で、家族カードは半額の5,500円となっています。年会費無料のカードが多い中、高い年会費のカードだと感じることもあると思いますが、アメックスのカードの中では安い方。低めの年会費でアメックスを持ちたいという人にも良いかもしれません。
ブルーとシルバーの券面デザインが洗練されていてかっこいいですよね。
ETCカードはアメリカン・エキスプレス共通で年会費無料です。新規発行手数料の税抜850円だけで取得できますので、もし国内で自動車に乗っていて、かつETCカードを持っていない場合には、このカードを利用することでお得に高速道路を走行することができます。
このカードの主な特長は下記です。
空港ラウンジ利用可能
このカードと搭乗チケットを一緒に提示することで、限られた人しか立ち入ることのできない空港のラウンジルームを無料で利用できます。飛行機に乗る際には、搭乗手続きに時間がかかる場合もあるため余裕を持って空港に行く必要がありますが、時間が余ってしまった時に空港ラウンジを利用できると便利ですよね。
同伴者も1名まで無料なので、夫婦やカップルで旅行する際にもおすすめのクレジットカードです。
なお、このカードで入ることができるのは国内の28ヶ所と海外の2ヶ所のラウンジとなります。このカードの提示だけでは入ることのできないラウンジもありますので、注意しておきましょう。
<アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カードで入ることのできるラウンジ>
国内空港 | 新千歳空港、函館空港、青森空港、秋田空港、仙台空港、羽田空港、成田国際空港、新潟空港、富山空港、中部国際空港、小松空港、大阪国際空港(伊丹空港)、関西国際空港、神戸空港、岡山空港、広島空港、米子空港、山口宇部空港、高松空港、松山空港、徳島空港、北九州空港、福岡空港、長崎空港、大分空港、熊本空港、鹿児島空港、那覇空港 |
海外空港 | ハワイ ダニエル・K・イノウエ国際空港(旧・ホノルル国際空港)、韓国 仁川国際空港 |
空港ラウンジを使える他のカードについては、下記の記事を確認してみてください。
旅行をサポートする多数のメリット付帯
空港ラウンジ以外にも、下記のような特典があります。
- 航空便遅延費用補償
- 海外旅行先での日本語によるサポート
- 旅行傷害保険(利用付帯)
- カードの紛失・盗難時の無料再発行
- 手荷物無料宅配サービス(帰国時の空港→自宅、会員につきスーツケース1個まで、一部空港のみ)
ほとんどの国から24時間、無料で日本語のサポートを受けられるサービスは旅行中の安心感につながりますね。手荷物無料宅配サービスも、疲れている帰国時には嬉しいサービスではないでしょうか。
ただ、旅行保険は利用付帯で、障害治療や疾病治療の金額が最高100万円です。これ1枚で安心できるほどの補償内容ではありませんので、クレジットカードで旅行保険を賄う場合は下記記事も参考にしてください。
貯まるポイント・マイルと還元率
このカードが選ばれる一番の理由は、ポイントやマイルの貯めやすさにあります。
特典でポイントが3倍貯まる
このカードでは、アメリカン・エキスプレスの「メンバーシップ・リワード」のポイントを原則100円につき1ポイント貯めることができますが、28社ある対象航空会社の航空券の購入や、対象旅行代理店2社の指定の旅行商品購入でカード利用を行えば、通常の3倍のポイントを得ることができます。
100円につき3ポイント貯まるのは魅力的なので、旅行へ頻繁に出かける人はどんどん活用しましょう。
対象航空会社 | アシアナ航空、アリタリア-イタリア航空、ヴァージン アトランティック航空、エア タヒチ ヌイ、ANA、エールフランス航空、エティハド航空、エバー航空、エミレーツ航空、オーストリア航空、ガルーダ・インドネシア航空、カンタス航空、キャセイパシフィック航空、KLMオランダ航空、シンガポール航空、スイス インターナショナル エアラインズ、スカンジナビア航空、スターフライヤー、タイ国際航空、大韓航空、チャイナエアライン、デルタ航空、日本航空、バニラエア、フィリピン航空、フィンランド航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、ルフトハンザ ドイツ航空 |
対象旅行代理店 | 日本旅行、アップルワールド |
※航空会社のパッケージツアーなど、特典の対象とならない支払いがありますので、ポイントを確実に得るためには公式サイトでの確認を行ってください。
※特典対象とならないサイトや窓口があるので、こちらも公式サイトで確認をしておきましょう。
貯めたポイントは旅行関係への使用がおすすめ
貯めたメンバーシップ・リワードのポイントは使用方法によって変換レートが異なってきます。下記の表を確認してください。
ポイント使用先/交換先 | 1ポイントあたりの変換レート |
航空会社、指定旅行代理店への支払い | 1円 |
指定以外の旅行代理店やホテルへの支払い | 0.8円 |
日々の支払い | 0.3円 |
日々のショッピングなどの支払いにポイントを利用してしまうと、1ポイントが0.3円になってしまいます。これでは旅行関係の支払いでポイントを3倍得られたとしても、円建ての還元率は0.9%となり、あまりお得とは言えません。
一方、航空会社や指定旅行代理店への支払いなら1ポイント1円で利用できるため、それだけでも還元率1%です。このカードの特典で3倍ポイントを手に入れていたら、円建て還元率は3%となり、数あるクレジットカードの中でも非常に高い水準の還元率となります。
これが、頻繁に旅行に行く人にスカイトラベラーカードが人気の理由です。
幅広いマイルへ交換できる
スカイトラベラーカードは、貯めたポイントを幅広い航空会社のマイルと交換することができます。マイル移行ができる提携航空会社とそのマイレージプログラムは、下記の15社(プログラム)です。
提携航空会社 | マイレージプログラム |
アリタリア-イタリア航空 | クラブ・ミッレミリア |
ヴァージン アトランティック航空 | フライングクラブ |
ANA | ANAマイレージクラブ※ |
エティハド航空 | エティハド ゲスト |
エミレーツ航空 | エミレーツ・スカイワーズ |
エールフランス/KLM航空 | フライングブルー |
カタール航空 | プリビレッジクラブ |
キャセイパシフィック航空 | アジア・マイル |
シンガポール航空 | クリスフライヤー |
スカンジナビア航空 | SAS ユーロボーナス |
タイ国際航空 | ロイヤルオーキッドプラス |
チャイナエアライン | ダイナスティ・フライヤー・プログラム |
デルタ航空 | スカイマイル |
フィンランド航空 | フィンエアー・プラス |
ブリティッシュ・エアウェイズ | エグゼクティブ・クラブ |
※ポイントをマイルへ移行するには、各航空会社のマイレージプログラムへ登録する必要があります。
通常、マイルの交換には航空会社のアライアンスの壁があります。同一のアライアンス内でなければマイルの変換ができないので、おのずとカードで貯めたマイルを利用できる航空会社も限られてしまうのです。
ですが、このスカイトラベラーカードで貯めたポイントをマイルへ変換することができる航空会社は、スターアライアンス(ANA他)やスカイチーム(デルタ航空他)など、アライアンスの垣根を超えた15社です。
毎回の旅行で必ずしも同じアライアンスの航空会社を使うとは限らないので、マイルへ移行できる航空会社の幅が広いというのは大きなメリットになりますね。
ポイントの移行レートも、1,000ポイントが1,000マイルとなっており、他カードよりお得です。
※航空会社のアライアンスについては下記の記事で詳しく紹介しています。
なお、このカードのポイントはJALのマイルへ移行できないので注意してください。JALのマイルを貯めたい場合は、JALカードなど他のクレジットカードを検討しましょう。また、ANAのマイルへの移行は年間5,000円の費用がかかるのでこちらも覚えておいてください。
期限を気にせずにマイルを貯めることができる
マイルを貯める場合、どうしても気になるのが有効期限です。マイルを往復の航空券に交換するにはおおよそ12,000マイルくらい貯める必要がありますが、貯めきる前に有効期限が来てしまったら、せっかく貯めた分も失効してしまいます。
ですが、スカイトラベラーカードなら期限を気にせずマイルを貯めることができます。ポイントが無期限で貯められるので、航空券と交換するのに必要な分のマイル相当のポイントを貯めておき、必要なタイミングでマイルへ移行できるからです。
この方法なら数年かけてゆっくりマイルを貯めることもできるので、「マイルは貯めたいけど、そんなに頻繁に旅行するわけでもないから失効しそう……。」という人でも安心できますね。
初年度はボーナスポイントでほとんど元が取れる
スカイトラベラーカードの年会費は前述の通り10,800円ですが、このカードに用意されている各種ボーナスを利用すれば、初年度分はほとんど簡単に元を取ることができます。
具体的に、スカイトラベラーカードに用意されているボーナスは以下の通り。
ボーナスの種類 | ボーナスポイント |
スカイ・トラベラー3倍ボーナス | 既定の支払いなら100円につき3ポイント |
入会ボーナスポイント | 3,000ポイント |
ファーストトラベル・ボーナスポイント | 5,000ポイント |
継続ボーナスポイント | 1,000ポイント |
ファーストトラベル・ボーナスポイントはカード入会後1年以内に航空券等の購入をしなければ付与されないため、できれば初年度はスカイトラベラーカードを使って旅行に行くようにしましょう。
そうすれば、初年度は入会ボーナスポイントを合わせて8,000ポイントを獲得することができます。あとは通常のカード支払いを20万円ほど(=2,000ポイント分)行えば10,000ポイントが貯まることになります。メインカードとして使用していれば、20万円は簡単に達成できるでしょう。
スカイトラベラーカードの強みは「スカイ・トラベラー3倍ボーナス」なので、どれだけ旅行に行くかによってお得度合いが変わってきますが、初年度に関しては1回旅行に行くだけで十分に元が取れるのです。
どれくらい旅行に行くかまだ分からないという人でも、1回以上行きそうならスカイトラベラーカードに申し込んでみても良いかもしれませんね。少なくとも初年度に損をしてしまう可能性は低いです。(そもそもこのカードを検討する人は旅行好きが多いので、多くの人がお得になるとは思いますが……。)
ファーストトラベル・ボーナスポイントの規定
ファーストトラベル・ボーナスポイントは以下の条件をカード入会後の1年以内に満たした場合に獲得することができます。
- 対象航空会社(27社)の航空券を対象航空会社のウェブサイト等経由で購入、あるいは指定旅行代理店(2社)の規定の旅行商品を対象旅行代理店のウェブサイトや指定店舗から購入
- 支払いは円建てで、直接スカイトラベラーカードを使用
上記を満たすことで、初回に限って5,000ポイントをボーナスで獲得できます。
なお、対象航空会社はこちらで紹介したものから「ヴァージン アトランティック航空」を除いた27社です。対象旅行代理店(指定旅行商品)は以下の通りです。
対象旅行代理店 | 対象旅行商品 |
日本旅行 | 対象航空会社のパッケージツアーや航空券、前払いのホテル等の宿泊料金、JR・バスのチケット購入 |
アップルワールド | 前払いのホテル等の宿泊代金 |
5,000ポイントは大きいので、スカイトラベラーカードを持つならぜひ獲得しましょう。
スカイトラベラープレミアカードとの違いは?
スカイトラベラーカードには上位版の「スカイ・トラベラー・プレミア・カード」があります。券面のブルーだったところがレッドになり、ガラッと印象が変わった1枚ですね。
プレミアという名の通り、年会費は35,000+税と大幅アップ。通常のスカイトラベラーでは3倍だったポイントが、スカイトラベラープレミアなら5倍です。そのため、よりポイントやマイルを貯めやすいカードになっています。
本気でマイルを貯めたい人にはAMEXのスカイトラベラープレミアお勧め。年会費はAMEXゴールドよりも高い37,800円で審査も厳しいとの事だけど、低属性のあたしでも4年前に審査通過しています。マイル付与率5%は日本最高じゃないかな?あたしは審査通過して手元にカードが来てすぐ解約しちゃったけどw pic.twitter.com/S1AM9xG8HT
— あまね (@amanean) 2018年6月30日
また、各種ボーナスポイントもスカイトラベラーより多く付与されるようになっていますが、年会費のアップを打ち消すほどではないので、より旅行へ頻繁に行く人向けなのは間違いないでしょう。
以下は、スカイトラベラーカードとスカイトラベラープレミアカードの主な違いをまとめた表です。
種類 | スカイトラベラー | スカイトラベラープレミアカード |
年会費 | 10,000円+税 | 35,000円+税 |
家族カード費用 | 5,000円+税 | 17,500円+税 |
入会ボーナスポイント | 3,000ポイント | 5,000ポイント |
ファーストトラベル・ボーナスポイント | 5,000ポイント(初回限り) | 10,000ポイント(初回限り) |
継続ボーナスポイント | 1,000ポイント | 5,000ポイント |
海外用レンタル携帯電話特別割引 | なし | あり |
旅行傷害保険 | 最高3,000万円(疾病・傷害は最高100万円) | 最高5,000万円(疾病・傷害は最高100万円) |
海外旅行先での日本語サポート(※1) | グローバル・ホットライン | オーバーシーズ・アシスト |
キャンセル・プロテクション(※2) | なし | あり |
ショッピング・プロテクション(※3) | 年間最高200万円まで補償 | 年間最高500万円まで補償 |
※1 … 「グローバル・ホットライン」と「オーバーシーズ・アシスト」の違いは緊急支援サービス(病院や弁護士の紹介等)の有無のみです。
※2 … キャンセル・プロテクションとは、急な出張による海外旅行のキャンセル等が発生した場合に規定によって最大10万円までキャンセル費用等を補償するサービスです。
※3 … ショッピング・プロテクションとは、カード購入後90日以内までに盗難や破損で損害が発生した商品について、免責を除いて最高500万円までその損害を補償するサービスです。
もらえるポイントは増えますが、年会費も増えているのは前述の通り。その他のプレミアだけの特典も年会費の差を打ち消すほどではないので、ほとんどの人はスカイトラベラーカードで十分だと思います。プライオリティパスの年会費無料などがあればまた違ってきたかと思いますが……。
もちろん、頻繁に旅行に行く人にとってはお得なカードになりますので、旅行が大好きで年に何回も行くという人は、スカイトラベラーカードとスカイトラベラープレミアカードのどちらの方がお得になるか一度比較しておくと良いでしょう。
まとめ
スカイトラベラーカードはその名の通り、航空券を使った旅行をする人にとってお得なメリットを取り揃えたクレジットカードです。旅行関連の支払いでポイントが貯まりやすく、様々な航空会社のマイルへ交換することができるというのが強みです。
ブルーとシルバーのデザインがかっこいいカードで、年会費もアメックスにしては比較的安いので、旅行好きの人はクレジットカードの候補として検討してみてはいかがでしょうか。