クレジットカードを受け取った時、まず行うべきこととしては「裏面の署名」があります。「必ず書かないとダメ?」「英語の筆記体でサラサラと書いても大丈夫?」など、特に初めてクレジットカードを手にした人はかなり迷うポイントですよね。
このページではクレジットカードの裏面に署名をすることの意味と、正しい書き方について解説をしていこうと思います。これからクレジットカードを手にされる方、あるいは署名を失念していた方はぜひとも参考にしてみてください。
目次
そもそも何のためにクレジットカード裏に署名をするの?
クレジットカードとは、クレジット(信用)という名前の通り、信用情報をもとに後払いで商品やサービスを購入することを可能にするものです。そのため裏を返せば、「その信用を受けた人物(所有者)が自分である」ということを証明しなければいけないんですね。
カード裏に署名をすることは、商品購入時の売上票(伝票)へのサインと突き合わせて、利用者の本人確認をすることを目的としているのです。また、カードと同じサインを伝票に残すことで、利用金額や支払い方法といった契約内容確認の意味合いもあります。
クレジットカードの会員規約でも、署名を行わなければならない旨の記載があります。例として三井住友カードとエポスカードの会員規約を一部引用しておきましょう。
会員は、カードを貸与されたときは直ちに当該カードの署名欄に自署するものとします。
参考:三井住友VISAカード&三井住友マスターカード会員規約(個人会員用)
会員はカードが貸与された場合は、直ちにカードの署名欄に自署し、かつ善良なる管理者の注意をもってカード(カード番号およびカードの有効期限等を含む)を使用・保管・管理するものとします。
参考:エポスカード会員規約
つまり、署名を行わないままクレジットカードを使用するのは規約違反になってしまうということですね。
裏面にサインのないカードを使用して買い物をしようとしても、お店側はその場でサインするよう求めたり、サインしない場合にはクレジットカード支払いでの販売を断ることもできたりします。
そもそもクレジットカードに署名することは規約で定められていることと、署名がないとクレジットカードでの買い物は断られることがあるということを覚えておきましょう。
署名のないクレジットカードはトラブル時にリスクが高まる
さらに大事なポイントとして、クレジットカードに署名がないと、不正利用されるリスクが高まるという点があります。
悪意ある第三者が署名のないクレジットカードを拾った、あるいは盗んだ場合、勝手にサインをして自分のカードとして不正に使用してしまう可能性があります。署名をしていないカードの不正利用については、所有者側に支払い責任が生じてしまう場合もあり、大変危険です。
また、会員側に規約違反や過失がある場合は、クレジットカードが盗難や紛失により不正利用された場合でも、被害額がカード会社からの補償対象外となり、自己負担になってしまう可能性があります。
署名は単にカード会員であることを証明しているだけでなく、万一の際に自分を守ってくれるものになりますので、忘れずに行うようにしましょう。
クレジットカード裏の署名の正しい書き方
クレジットカードにしっかり署名をすることが大事と分かったところで、次に書き方について説明をしていきます。書き損じてしまわないよう、下記を参考に注意して署名を行ってもらえればと思います。
署名に使うペンは何が良い?
一番おすすめなのは細めの油性ペンです。ボールペンで書こうとすると滑る上にしっかり書けず、焦って失敗してしまう可能性が高いです。かと言って太めのペンで書いてしまうと、線が太すぎてサインとして書くのが難しいのです。
油性ペンなら落ちずにくっきり書けますし、細めのものを選べばボールペン等で書くサインに近づきます。
前述の通り、ここに書く署名は買い物時の伝票に記載する署名と突き合わせることを想定していますので、伝票に書く時によく使うボールペンに近い太さで、つるつる滑るカードでも書きやすいものがベターです。
署名は漢字・英語・カタカナ・イニシャルどれならOK?
外国人と違って日本人は漢字名で書かなければいけないのではないか、という風に考えたことのある人は少なくないと思います。ですが、クレジットカード裏の署名は漢字・英語・カタカナ・イニシャルいずれも問題ありません。
漢字で書く場合でも、フルネームである必要はなく、田中太郎さんなら「田中」だけでも大丈夫だったりします。あくまでも署名なので、第三者から見てもサインだと分かるようなものであれば文字に指定はないのです。
ただ、セキュリティの観点で言えば、安全性が高いのは漢字のフルネームになるでしょう。画数が多く独特な形をしている漢字は、馴染みのない人にとっては模倣しづらい文字だと言えます。海外旅行を計画している人などは、漢字の署名にしておくと良いかもしれませんね。漢字であれば日頃書き慣れていますので、特に意識することなく書けるのも利点と言えるでしょう。
漢字は画数が多いため書くのが面倒という理由から、英語の筆記体などを署名にしている人もいます。こちらはサインする時にサラサラと書くことができますので、サインをすることが多くて毎回フルネームを漢字で書くのが面倒という人にはメリットがあるのですね。
売上票(伝票)に同じサインを書く点に注意
クレジットカードを利用して店頭で買い物をする際にはサインを求められることが多いです。どの形式で署名をしたにせよ、同じサインを売上票(伝票)に書かなければいけない点は注意しておくと良いでしょう。
せっかくの署名だからと書きなれない形式で書いて、お店でサインを求められたときに同じものが書けないと困ることになるかもしれません。そういう意味では、書きなれている漢字が署名として適している人というのは多いのではないかと思います。
書き間違えた・失敗した時の対処法
さて、実際にクレジットカードに署名をする段階では、書き間違えてしまうこともあります。そうした場合は、書き直したり訂正したりすれば良いのでしょうか?
これはいずれも不可です。書き直しが可能だと、他人が元々のサインを書き換えることができてしまい、不正利用に繋がる可能性があるからですね。
署名を書き損じてしまったクレジットカードは、訂正や書き直しをしても使用できませんので、面倒でもクレジットカード会社へカードの再発行を依頼しましょう。書き間違えたケースだけでなく、長い間使用していて署名が薄くなった場合や、署名を別のものに変更したい場合なども、カードの再発行を依頼することになります。
ただ、再発行には基本的に費用がかかり、郵送されるまでにも時間がかかりますので、最初に署名する時には間違えないように注意を払うと良いでしょう。
まとめ
サイン文化にあまり馴染みのない日本では、クレジットカード裏面の署名について正しい認識を持っていない人もいるかもしれません。しかし、クレジットカードを使用する上で署名は規約上必要ですし、万一の際に自分を守ってくれることにも繋がります。
漢字やローマ字、カタカナ、イニシャルいずれも問題ありませんので、この機会に持っているクレジットカードを確認し、署名がされていなければ忘れずに行っておきましょう。そうすることで、トラブルに遭う危険を減らし、より安心してクレジットカードを使用することができます。